しわを予防するボツリヌストキシン注射
しわは刻まれる前に手をうちましょう
美容医療におけるあらゆる診療項目の中で、まず何から手を打つべきか悩まれたご経験のある方も多いのでは。勿論、ご自身の主観で気になる部分から攻める、というのも一つではありますが、片っ端から片付けていくのもなかなか骨の折れる作業だと思います。それならば「手遅れになり易いところから攻める」というのは如何でしょうか。例えば「しみ」などは小さなうちに、薄いうちに、と皆様思われるかもしれませんが、実は大きくなったとしても濃くなったとしてもそこからでも治療は可能ですし、さほど治療効果が変わるものではありません。その一方で「しわ」は一旦刻まれてしまうと、なかなか元に戻すのが難しいです。特にお若い世代の方の場合、まずは「しみ・そばかす」を気にされることが多く「しわ」は後回し、未だ自分には早すぎるわよね・・・と思われがちなのですが、これが大きな分かれ目なのです。
しわは予防できるのか?
ところで、しわは予防できるものなのでしょうか。未だ私には早すぎる・・・と思っている世代の方が果たしてしわ治療を開始したとして、では10年後、20年後にはどうなっているのでしょうか?気になりますよね。結論から言えば、しわは予防できます。今の状態をキープできます。治療開始時より良い状態をキープすることも可能です。しわの種類や程度により予防法はいくつか考えられますが、最も絶大な予防効果を見込めるのは「ボツリヌストキシン注射」です。この注射は「しわ取り治療」というイメージで捉えておられる方が多いと思いますが、一番その力を発揮するのは「しわ予防」だと思います。「予防」と言われても、まずはこの目の前のしわが「取れる」ことが先決でしょう、と思われるかもしれまん。「予防」などというボンヤリとした「いつ」「何年後」「何歳の時」をターゲットに予防をしていくのかも明確でない治療にお金をかけるべきなのか?と思われますよね。
どこを予防するのか?
「今あまり目立っていない」しわであれば尚更、どのしわを予防していけばよいのか、わかりませんよね。では、どのように優先順位を決めたらよいのでしょう。まずは「ここにしわが出来たら困る!!」という場所。不思議なもので、人は「このしわは許せるけど、このしわは許せない」という各々の好みが必ずあります。そんな好みありません、という方。それは他力本願過ぎます。どのしわは良いけどどのしわは嫌だ、それは誰かに教わるものでもなく、SNSを参考にするものでもなく、ご自身で決めるものです。次に「筋力が強い」場所。人は誰しもほぼ平等にあらゆる種類の筋肉を持ってはいますが、その大きさや力は千差万別です。それによって、将来的な「しわの刻まれ易さ」も大きく変わってきます。ご自身で判断がつかないものも多いと思いますので、そんな時こそ美容クリニックを受診して「どこの筋力が平均より強めなのか」「どの部分のしわが刻まれ易そうか」を医師に判断してもらいましょう。意外とご自身では気付かなかった「目から鱗」な事があると思います。
「しわ予防」をお勧めする理由
しわ治療は、脱毛やしみ治療といった比較的取っ付きやすい分野と比べると「年配者が行う治療」というイメージを持たれ易く、治療が手遅れになりがちです。先延ばしにする割には、一旦刻まれてしまうとなかなかカムバックが難しいのが現実です。比較的お若い世代の方で、僅かにしわが刻まれ始めているな・・・という方を多くお見かけしますがこれをこのまま放置すると、10年後、20年後には、どんな治療をもってしてもちょっとカムバック不可能な状態になってしまっているかもしれません。「手遅れになりにくい」治療は放置しても大丈夫です。極端な話、70代・80代になってからでも間に合います。ですが「手遅れになり易い」治療は例え40代・50代でも手遅れになります。誰しも、今目の前の事が一番大事で、10年後、20年後を見据えるというのは、雲をつかむような話かもしれませんが、「今」「予防」を始めることで、将来必ず「あの時始めておいて良かった」としみじみ感じていただける時がくると思います。
ボツリヌストキシン治療は怖いものか?
予防注射を始めましょう、ということになった時に必ず起こる議論が「怖くないのか?」「100%安全なのか?」「デメリットは何かないのか?」という問題です。これは全ての治療に言えることですが「全く怖くない」「100%安全」「ノーリスク」の治療は存在しません。だってそうでしょう、ただただ階段を上がって行くだけ、そんな夢のような話はこの世の中ではあり得ません。ですが「限りなく安全でリスクが少なく怖くない」治療を求めて日々医療は進歩していますし、個々の医師も努力を重ねています。「初めて」は勇気が要るものかもしれませんが、そこは受診したクリニック、目の前の医師を信じて一歩踏み出してみませんか。
執筆:

総曲輪ビューティクリニック 院長
佐藤 典子
形成外科専門医