COLUMN コラム
肝斑の方へ〜トラネキサム酸の使い方〜
みなさま「トラネキサム酸」をご存知でしょうか。注意深い方であれば
「風邪をひいて内科を受診した時に処方されたような・・・」と思い出して
いただけるかもしれません。これは、喉の炎症を抑える目的で処方されているのですよね。
また、美容に詳しい方であれば「肝斑のくすりでしょう?」と思い当たるかもしれません。
そもそも、トラネキサム酸には、炎症を鎮めたり、血を固めて出血を止めるなどの作用が
あります。ですから、喉が炎症を起こして痛い時に処方されたり、血がいっぱい出て
止めたい時(例えば手術の後など)に使用されたりするお薬です。これがなぜ美容医療の
世界で用いられるようになったかというと、トラネキサム酸のこれらいくつかの作用により、
特に肝斑など炎症を起こした後に生じる色素沈着に対して改善効果があることが
わかったからです。
では、誰でもトラネキサム酸を飲めばしみや肝斑から解放されるのか、というとことはそう
単純ではありません。その理由は、このトラネキサム酸の「血を止める」という絶大な
作用のせいで、身体に対してプラスに働く方もいれば、残念ながらマイナスに働いてしまう
方もいるからです。トラネキサム酸が配合された飲み薬をドラッグストアなどで購入しよう
とした場合、薬剤師さんが店内にいらっしゃらない時間帯には購入ができなかった、
という経験をされた方はいませんか?それは、トラネキサム酸をみなさまが購入される
際に、本当にトラネキサム酸を飲んでも大丈夫な方(健康被害が起きない方)なのか
どうかを薬剤師さんの方でチェックされるからなのです。例えば、同じく血を固める効果を
持つ他のお薬を飲まれていないかどうか(お薬の飲み合わせ)、過去に血が固まって
血管を塞いでしまうようなご病気(血栓症)にかかられたことはないかどうか、そもそも
ご高齢で血管が詰まりやすくなっていないかどうか、などをお薬購入の前にチェック
されているのですね。
こういった事情で、トラネキサム酸を飲みたいけれど飲むことができない、というケースが
存在します。そこで、どなたにお使いいただいても安全性の高い、外用剤としての
「トラネキサム酸」が注目されています。内服と比較すると効果にややばらつきがあると
されてはいますが、肝斑など色素沈着に対する効果は実証されています。
また、内服ができない、という事情以外にも他の美白外用剤が肌に合わない、もしくは他の
美白外用剤を休薬しなければいけない期間中に使用できる、などの理由でトラネキサム酸
の外用剤は重宝されます。一般的に日本国内の医療機関で購入できるトラネキサム酸
配合の外用剤の濃度は2%前後のことが殆どですが中には5%の美容液も存在します。
フランスの皮膚科医により開発されたDERMEDENというブランドの製品です。

肝斑などの色素沈着は一般的にレーザー治療も無効で(最悪のケースとしてはレーザー
治療により色素沈着が悪化することもあります)残念ながら未だ内服や外用剤に
頼らざるを得ない現状は変わりません。内服が面倒で続かない、という方でも毎日の
スキンケアにトラネキサム酸を「塗る」というステップをひとつ、加えてみては
如何でしょうか。諦めていたしつこい肝斑や色素沈着に一筋の光が見えてくるはずです。